ファッションメンヘラ

メンヘラを装備した人の思うところ。

死にたかった時の話

死にたい。

それ以外の感情がない、

そんな瞬間が、

かつて一度だけあった。

 

 

 

小学校の頃から、勉強が唯一の取り柄だった。

 

怒ると怖いオバサン教師に怯えていた。

その教師に気に入られ、怒られない為には

とにかく真面目に勉強するのが手っ取り早い。

 

幸い要領の良いほうだったわたしは、

すぐに気に入られた。作戦は成功。

 

そんな不純なきっかけで、

熱心に勉強をするようになった。

 

中学校の試験の成績はいつも上位。

両親や友人、教師に褒められた。

 

 

勉強さえしていれば、

誰からも認めてもらえた。

 

わたしにとって、

承認欲求を満たすために

こんな簡単なことはなかった。

 

 

中学3年から通い始めた塾は、

高校3年まで続けた。

特に高校3年生の1年間は、

人生で一番勉強した。

食べる間や寝る間も惜しんだ。

1日に14時間勉強する、なんてザラだった。

 

わたしは神戸大学を目指した。

 

なりたいものとか夢は特になかった。

なんとなく得意だった英語を専攻したく、

親孝行のためにも有名な大学を選んだ。

 

 

結果、

合格ラインぎりぎりのところで合格した。

 

合格を知らせた時、

母が電話越しに号泣してくれた。

今でも昨日のことのように思い出せる。

 

人生で最大の親孝行が出来た。

 

けれど、わたしの人生は、

ここでゴールテープを切ってしまった。

 

 

 

大学に入学した。

そして2年も経たないうちに、

 

わたしは不登校になった。

 

どれだけ熱心に勉強したところで、

誰も褒めてくれなかった。

 

何のために勉強すればいいのか、

途端に分からなくなってしまった。

 

 

周りのレベルは、想像以上に高かった。

もちろん授業などついていけない。

 

教授が英語で喋る。

みんなが笑う。

だけど、わたしには

何が面白いか分からない。

 

言葉が理解出来なかった。

 

この孤独感は、

かつて感じたことのないもので、

 

苦痛だった。

 

 

大学2年の秋、

とある平日。

父は仕事に、母も兄も外出していた。

 

わたしは家にいた。

 

リビングの椅子に座ったまま、

ふと、考えてしまった。

 

わたし、こんなところで何してんねやろ。

 

大学、行かなあかんのに。

 

両親が汗水垂らして稼いだお金を使って、

4年間塾に行った。

そして、

決して安くはない学費を払い、

わたしは大学に、

神戸大学に所属している。

 

それにもかかわらず。

 

 

大学には行けず、

今現在も「講義代」という

安くはない、無駄なお金が発生してる。

 

かといって迂闊に外にも出られない。

 

こんな普通の日の昼間に、

若い子が何してるんだ、って思われるから。

 

 

逃げ場がなかった。

 

 

生きているのが、

生きていくのが、

とてもしんどいと感じた。

 

いっそ、死んでしまいたい。

 

そうしたら、

大学に行かなきゃ、なんて思わなくていいし

お父さんお母さんも無駄金叩かなくて済むし

 

死にたい。

死にたい。

死にたい。

 

 

死にたくて、消えたくて、たまらなくて、

わんわん泣いた。

 

たった一人で、

床に座り込んで、

椅子に縋り付いて泣いた。

 

涙はなかなか枯れなかった。

 

 

 

何度か復帰を試みたものの、

結局、大学には行けていない。

 

いろんな原因があるけれど、

目的がないのが一番大きい。

 

周りには「もったいない」と言われるけれど、

 

 

わたしは思う、

死ぬよりはマジだ、と。

 

 

あの頃、本当に死にたくて、

左腕をカッターで切ったりもした。

 

でも、本当は、

ちゃんと生きたいだけなのだと

後から気がついた。

 

自分の生きる目的を持って、

やりたいことをやって、

人生を謳歌したいだけなのだ、と。

 

 

いまでも、

人に認められることは気持ちいい。

それに、生きる目的など見つかってない。

 

 

だけど、とりあえず生きてるから大丈夫。

そのうち見つかるさ。

 

それくらいの心の余裕は出来たので、

良いことにしている。